2025年も終盤、NISAの最終チェックはお済みですか?
年末が近づくと、「今年のNISA枠、実は使い切れていなかった!」と気づくケースは珍しくありません。
特に2025年は、新NISAが本格稼働して2年目となり、旧NISAの保有商品も非課税期間の終了が迫る“やや複雑なタイミング”です。
今回は、旧NISAの対応・新NISA枠の使い切り方・年末特有の注意点を、忙しい方にもわかりやすく整理して解説します。
旧NISA(一般・つみたて)の保有商品はどうすればいい?
2023年までの旧NISA制度では、一般NISAの非課税期間は 5年間でした。
例えば2021年に購入した一般NISA商品は、2025年末で非課税期間が終了し、翌2026年の年初に課税口座へ自動移管されます。
ここで誤解されがちなポイントが一つ。
自動移管=売却されてしまう、ではありません。
保有商品はそのまま残り、移管後の値上がり益や配当だけが課税対象に変わる仕組みです。
対処方法
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非課税のメリットを延長したい人
→ 一度売却し、新NISA枠で買い直す方法が有効
※ただし、売却から買付までのタイムラグで価格が動くリスクあり -
長期保有が目的の人
→ 課税口座へ移して継続保有するのも選択肢
一方、2018年から始まったつみたてNISAは 最長20年間が非課税期間。
2025年時点でも多くの人に10年以上の非課税残期間があるため、基本的には「継続一択」です。
新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠を使い切るには?
2024年から始まった新NISAでは、
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つみたて投資枠:年120万円
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成長投資枠:年240万円
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合計:年間360万円・生涯1,800万円の非課税枠
という、非常に大きな枠が用意されています。
注意したいのは、年間枠は繰り越し不可で、1円でも残せばその年の枠は失効するという点です。
つみたて投資枠の使い切り方
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通常の月10万円では、年末に未使用枠が残りがち
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以下の方法で使い切りが可能です。
① ボーナス月設定を使う
→ 年1~2回だけ、10万円超の積立が可能
(クレカ積立では利用できない場合あり)
② 証券会社の「枠使い切りサポート」を利用
→ 楽天証券・SBI証券などは12月中旬に締切を設けて自動調整
成長投資枠の使い切り方
成長投資枠には「スポット買い」があるため、一気に埋められるのがメリット。
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ETFや個別株をまとめて買い付ける
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少額の端数が残る場合 → 単元未満株(ミニ株)で“ピッタリ調整”
「年末ギリギリ注文」で失敗しないための注意点
ここは落とし穴になりやすいため、必ず押さえておきましょう。
NISA枠を使うには
注文=枠確保ではなく、受渡日=枠確定です。
つまり、年末に急いで注文しても、受渡日が2026年になると2025年枠は使えないということです。
2025年の受渡期限
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最終営業日:12月30日
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この日までに「受渡し完了」している必要あり
発注の目安
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国内株式
→ 遅くても 12月26日まで に注文 -
外国株・投資信託
→ 受渡日が長いものも多く、12月20日頃が安全ライン
成行注文で当日約定させるなどのテクニックも有効です。
2025年末に向けて、投資行動のチェックリスト
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一般NISAの保有商品を確認
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非課税終了予定のものは「売却→新NISA買い直し」も検討
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つみたてNISAは継続運用が基本
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つみたて枠はボーナス月 or 自動調整機能で使い切り
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成長投資枠は単元未満株で最終調整
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すべての商品の 受渡日スケジュールを確認
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証券会社の「NISA使い切りサポート」を早めに申し込み
証券会社によっては、12月前半で締め切るケースもあるため、早めの対応が安心です。
まとめ:非課税枠を“無駄にしない”ことが来年の資産形成を左右する
NISAは、国が認める有利な非課税制度。
しかし、使い方を誤れば、メリットを最大限受け取れないことも。
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旧NISA → 新NISAへの上手な乗り換え
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年末特有の「受渡日」の罠
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ボーナス月やミニ株を使った枠調整
これらを理解しておけば、1円もムダにせず、非課税効果を最大化できます。
年末の投資行動こそが、来年の資産づくりのスタートラインです。
「気づいたら枠が失効していた…」と後悔しないためにも、今から動き始めましょう。
